アイスクリームの「キーン!」?

みなさまこんにちは。品川の頭痛治療家の片柳亮輔です。

 

ようやく少しずつ暖かい日が出てきて春が近tづいてきた感じですね。

 

こう少しずつ気温が上がってくると喉が渇いたり、冷たいアイスなんか食べたくなりませんか?

そんなアイスを食べたりすると「キーン」と頭が痛くなる症状って実は名前があるんです。

 

「アイスクリーム頭痛」と言います。これは医学的な正式名称で、健康に悪い影響を残さないものではありますが、身近な症状ですので、発生の原因を番外編として今回ご紹介いたします。

 

アイスクリーム頭痛とは

夏の暑い日に、アイスクリームやかき氷、冷えたジュースなど冷たいものを急に飲み込むと数秒後に起こる頭痛です。こめかみや側頭部に刺すような痛みを感じ、強い場合は脈うつ頭痛にもなります。1030秒ほど続きますが、ほぼ5分以内にはおさまります。のどの中央で飲み込むと痛みはこめかみに、のどの片側に寄って飲み込むとそちら側に頭痛がします。日本ではかき氷を、とくにかたまりで食べたときに起こりやすいといわれています。

頭痛はそもそも頭の深部に感じる痛みです。皮膚より下の動脈、筋、末梢神経などで感じる痛みは深部痛とよばれ、頭痛として自覚します。

一方、痛みの元の部位が頭でなく目や耳などでも、頭に痛みをともなうことは少なくありません。これを関連痛といいます。アイスクリーム頭痛も、この関連痛の一例です。

 

アイスクリーム頭痛は3割以上の人が経験し、とくに中学生男子に多いという報告があります。この理由として、加齢とともに発症しなくなるというよりは、一度つらい体験をすると、その後冷たいものを注意深く食べるようになるためと考えられます。

 

アイスクリーム頭痛の原因

原因には、2つの仮説があります。

2つの勘違い説(関連痛)

冷たさによる刺激が強すぎて、三叉(さんさ)神経や舌咽(ぜついん)神経において「冷たさを痛みと間違ってしまう」勘違いと、「その痛みの部位が上あごや舌など口内であるのに頭が痛いと感じる」という、2つの勘違いにより頭痛が起こるという説です。痛みと冷たさの感覚は同じ神経線維で伝わります。

また、のどからの感覚とこめかみからの感覚は、同じ場所で神経を乗り継いで脳に伝わります。通常は、感覚の種類も出現部位も、それぞれ識別されますが、冷たいという強い刺激が急に加わったことで、感覚信号の伝達が混乱すると考えられています。

 

・血管における炎症説

のど元が急に冷やされると、近い位置にある頚動脈も一緒に冷却されて縮みます。その後、身体は体温を維持しようとして血流を増やし、収縮した欠陥は逆に伸びようとします。このとき、軽い炎症が血管に生じます。それにより放出された炎症性物質が、血管や硬膜などの周囲にある三叉神経を刺激し、神経原性炎症を起こすという説です。これは片頭痛における三叉神経血管説と同じであるため、アイスクリーム頭痛と片頭痛とは関連があるのではという推測もあります。

 

原因はまだ明確に解明されたものではない

アイスクリーム頭痛の原因については、あまり研究が進められているとはいえません。理由には、痛みが短時間で消失してしまうため研究しにくいことと、健康に悪い影響を残さないため、研究者が優先的に研究しないといったものが考えられます。

しかし、2つの仮説は結局、口腔粘膜の上のほうにある三叉神経の情報の読み違いと考えることができます。予期せず口の中に入ってきた急激な冷たい刺激に対し、「冷たい」と伝えるべき情報を三叉神経が、脳に「痛い」と誤って伝えてしまうために頭痛が起きるということでした。

アイスクリーム頭痛と同様に、偏頭痛も三叉神経への刺激がきっかけで起こります。アイスクリーム頭痛のある人と片頭痛のある人には、関係があると考えられています。

偏頭痛のない人でアイスクリーム頭痛が起こる人は3割程度であるのに対し、偏頭痛のある人でアイスクリーム頭痛がある人は7割にのぼるという報告もあります。

国際的頭痛の分類では、アイスクリーム頭痛は「寒冷刺激による頭痛」に位置付けられ、偏頭痛とアイスクリーム頭痛は「別もの」と考えられています。しかし、5分以内におさまるならばアイスクリーム頭痛、長時間に渡れば偏頭痛と診断するのは、根本的な部分を見ていないと指摘する声もあるので、診断を明確にするためにもしっかりと解明してほしいですね。

 

アイスクリームを食べたキーンとした頭の痛さと思ったら、いつまでも頭の痛さが治らない。そんな頭痛の方は、品川の頭痛専門やなぎ整体院までお越しください。

 

 

一気に口に頬張りたくなるので、すぐキーンとなってしまう頭痛治療家 片柳亮輔